 不倫の娘(1/8)｢実は私……お父様と血が繋がっておりませんの｣ ｢えっ!?｣ いきなり衝撃的な言葉が飛び出し、麻衣子は固まった ｢そ、それって…その……｣ ｢お母様とは間違いなく繋がっております。お父様と繋がっているのはシェリアお姉様と2つ下の妹だけですの。ですから、2人とは異父姉妹ということです｣ ナザンの母親である王妃には、国王であるナザンの父親と出会う前に想いを寄せていた人物がいた 何事もなければ、そのまま2人は結ばれるはずだったらしい しかしその恋人は一般庶民、それに対して王妃は有力貴族の娘であったために周囲は大反対だったそうだ ｢身分違いの恋だったんですね…。ナザンさんとブライスさんみたいに…｣ ｢ええ。お母様は家の立場を考えて結局、お父様と見合い結婚をしたのです。その方とも、結婚を機に無理やり離されました｣ しかし、シェリアが1歳の頃に事件は起きた 2人は偶然、街で再会してしまったのだ そこで間違いが起き、結果的に王妃は懐妊してしまった これを知った国王は元恋人を国外へ追放し、彼女に赤ん坊を堕ろすよう言ったらしい ｢けれど、お母様は同意せずに女の子を産みました。それが私なのです。幼少の頃から、私だけ扱いが違うことを少なからず感じてはいましたわ｣ ナザンの表情が曇る 前㌻[*]｜[#]次㌻ ⇒作品?レビュー ⇒ﾓﾊﾞｽﾍﾟ?Book? [←戻る] |