Phantom of Reed


音楽の街(1/33)






朝になった



「…ん………」



麻衣子は上体を起こして目をこする


カーテンを開けると、光が射し込んだ



(わぁ……!夜とは雰囲気違う!)



カーディガンを羽織って、再びバルコニーに出た


外の庭園は学校の校庭並みに広い


昨晩は見えなかった景色がはっきり見える


中心には噴水があり、すでにその活動を始めている


周囲には溢れんばかりの花が咲いていた



(んー、気持ちいい!!今日も暑くなりそうだなぁ〜…)



麻衣子は思いっきり伸びをする



(何か、楽器吹きたくなっちゃった…。でも、ナザンさんたちまだ寝てるだろうし、迷惑になっちゃうかもな……)



しかし、吹きたい気持ちを抑えられず「少しだけなら」と楽器ケースを取りに行った


ここへ来て24時間も経っていないが、ずいぶん長く吹いていないような感覚だ


昨日あれほどケースをぶつけたのにも関わらず、不思議なことに中の楽器はおろかケースにすら傷は付いていない


バルコニーへ戻って軽く音出しをし、曲を吹き始めた

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