36/36 0007 新宿 セイヤ ユウガは一瞬だけエイアを見たが、すぐに俺に顔を向ける。 「短い間だったけど 違う形で会いたかった」 ユウガ、お前はいい奴だ。 「ああ」 俺は、やっとユウガに返事が言えた。 ユウガ頼む。 俺とジュリアを解放してくれ。 アヤカは何回も振り向き、3人はドアから出て行った。 俺はすぐにジュリアに電話をする。 全てを聞いたジュリアは「そう」とだけ、俺に言う。 「今隣にリュウオウ様がいるの」 何も言えなかった。 2人で見たジャマイカの海。 風に乱れた髪を分け、景色を見ていたジュリアの横顔が俺の脳裏に映る。 思い出のジュリアは、もういないんだ。 それから数時間後の夕方。 俺のSCMを返してもらう為に、ファミリーレストランでジュリアと会う事になっていた。 ファミレスの出入口から禁煙席に座る、ジュリアが見えた。 ふと、疑問に思った。 ジュリアはタバコを吸うから、喫煙席にしか座らないはずなのに。 そんな疑問より、俺の視界にはジュリアの隣に座る、もう1人の人物が見えた。 俺は一瞬、そいつの姿を疑問に思うが、次にあの名前が出てきた。 リュウオウ? あいつが!? あいつがリュウオウなのか!? 俺が見たリュウオウの姿は─── |