23/奴隷区-僕と23人の奴隷-

64/64 0006 豊島 アヤカ



セイヤは気まずそうに、エイアから目をそらしていた。



「とにかく彼女の機転のおかげで 僕は先に上がれた」



ユウガはそう言うと、タバコを取り出す。



キィン



間髪入れずに、セイヤがデュポンを鳴らして火を着けた。



ユウガはセイヤに、仕草だけで礼を表現する。



「多くの推測と確かな保険がある」



「だから僕達は勝てなくても 高確率で負けないんだ」



SCMを付けていないエイアに、彼女自身の機転。



さりげない提案に隠されていた、死活問題の勝敗の定義。



この勝負はユウガ達にとって、初めから負けのない勝負だったんだ。



「真の勝利者とは 勝利よりも敗北をよく考える」



あたしは今まで聞いたユウガの話で、思ってしまう。



「僕の好きな言葉だ」




やられた。




あたし達は、初めからこの2人にまけ




  『 カチッカチカチ 』




口の中のSCMが鳴った瞬間、あたしの心臓が突然ドクンと動く。



呼吸がしにくくなり、過去の人生最高の緊張感があたしを襲った。



そして数秒後。



バッチィン!



あたしはセイヤに、思い切り殴られていた。



セイヤの怒りの顔を最後に、あたしは気絶する。




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フリカエル[*][#]ススム

シヲリ
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[ヘンシュウ]

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