23/奴隷区-僕と23人の奴隷-

2/64 0006 豊島 アヤカ



汚いホテルの小さな部屋。


薄明かりの中で客は言う。


「ハァ 指名したんだからさあ 本番させてよう」


甘えた口調で客は言う。


男は30代後半で腹が出て、髪の毛以外の体毛の濃い自称営業マンだ。


でもこんな奴からコピー機を買いたいとは思えない。


「いいよ」


騎乗位の状態で答えたあたしに、奴は犬みたいに急いで抱いてきた。


ローションを使っていたが、最近無理した連日の接客の為ヒリヒリして少し痛い。


「ん」


こんな奴にリップサービスをするつもりは無かったが、お腹から突き上げてくる衝撃で、嫌でも声が出る。


「アヤカちゃあん感じてんだろ?」


「んん」


彼の言葉責めに対し、可も無く不可も無い返事をしながら、あたしは事が終わるのをひたすら耐えた。


口の中に指を入れられ、イヤラしく舐めるよう言われる。


それをすると彼は、たったの数分後に果てた。


その時がくると左胸を強くわし掴みされ、痛かった。


事が終わり、ワイシャツのボタンをしめながら男は言う。


「また指名するからね」


「うん 待ってるね」


接客の時は高い声を出し、ニャンニャン言葉を話す。


吐き気がするほど面倒くせえ。


客より先にホテルを出て、待機していた車に乗る。


死ぬほど腹が減ってるけど、車に置いてあるガムで我慢する。


「あ゙ー だりい」


毎回、仕事が終わったら送迎の運転手に聞こえる愚痴を吐く。


お味噌汁とか、白いご飯。


最後に食べたのいつだっけ。


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フリカエル[*][#]ススム

シヲリ
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