23/奴隷区-僕と23人の奴隷-

29/29 0004 目黒 マサカズ



深夜、3時くらいにやっとルシエの住む町まで来た。



まだルシエとメールし始めた時期に、隣町とは聞いていたが、意外に近いんだな。



俺はルシエを家の近くまで送る。家がバレたくないのか、近くで降ろすように指示された。



車の降り際、電話番号を交換させられ、口の中のSCMは絶対に外すなと念を押される。



「これで終わったと思うなよ?」



そう言い残すと、ルシエは夜道を歩いて行く。可能ならこのまま車でひいてしまいたい。



車通りの少ない深夜の道を走らせ、家に向かう。



ああ。長かった。驚くほど長い1日だった。



自宅のアパートに着き、部屋に帰る。



我が家だ。俺はシャワーを浴びて、すぐに寝ることにした。



もう何も考えない。今日を振り返らずに、とにかく寝よう。



そう思いながら、布団に入ると。



『 キュイ───ン 』




口の中のSCMが鳴った。



俺は、反射的にルシエが近づいたのかと思ったが、振動は1回だけで、何事も無かった。



そうだよ。全部これが悪いんだよ。なんなんだよ、SCMって。


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フリカエル[*][#]ススム

シヲリ
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