執事様と婚約者様
5章 ささやかなパーティー(1/15)






「園田さんっ」


「おや?お嬢様、どうかなされましたか?」


厨房に行くといつもの後ろ姿が目にはいった

どうやら食事を運ぼうとしていたときだったらしい



「坊っちゃんはどうなされましたか?」


「あ…えっと、まだ呼んでなくて。矢城さんと話してたみたいだし」


「そうですか」


にこりと微笑んだ彼をじっと見つめてみる


たった数日でこんなにも慣れ親しんだ顔


多分ここ最近私が会った回数ランキングNo.1だろう



「?…どうか、なさいましたか」


「いえ。ただ…ちょっと見ていたくって」


「はい?」



「いや、だから園田さんを。」



「…」


少しの間があって園田さんはそっぽを向いた



「…からかわないでください」



「え?思ったことはストレートに言えって…お父さんの口癖で」



「…」



だから、そっちのほうが余計ヤバいんですーーー…



と言いたかった園田だった





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