あなた。


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卒業して就職をすると、学校とは違った方向の会社のためわたしは電車通勤になりました。

その駅のホームで、同じく就職したのかスーツを着たあなたを見付けました。

さりげなく近くに立って電車を待っていると、

「あ!」

驚きました。あなたがわたしを見て声を上げているのですから。

「え…?」

「よく、バスで一緒じゃなかったっすか?」

あなたの言葉にわたしの目からは涙が溢れそうになりました。

―――知っててくれたんだ…。


それから度々、駅で会うと会話を交わすようになりました。

幸せで堪らない日々。
あなたの笑顔が、わたしに向けられる日が来るなんて。


でも不幸はすぐそこに迫っていて。





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