空に浮かんだ月が淋しそうで。



ひとはこれを人生とかゆうの? 





旅人に問うてみた
「何を探しているのですか」と。
旅人は答えた。
「何を探しているのか探しているのです」と。
旅人は続けてこういいます。
「かつてはありました。けれど今はもう忘れてしまいました。だから来た道を戻っているのです。」と。
わたしは悲しくなりました。
思い出にすがる旅人を。
哀れにおもったのです。
確かに大切なものを失ってしまうのは
つらくて、つらくて。
でも私は思うのです。
進んで行けば目的までたどり着き
思い出すのではないのかと



‐7‐


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