ヒラリ、ヒラリ、
------------------------------

02涙、一滴(2/2)
------------------------------


生徒会室についてノックをすれば会長の竜也から「入れ。」とかかり恵を引き摺りながら入った。

すると恵がまたもや泣き出し綾音はドン引きした。

はたから見れば不良が美少年を苛めてるようにしか見えない。

訳のわからない役員達は何事だと思い近寄ってきて、竜也は綾音が掴んでいた手を離さしてを宥めるように優しく頭を撫でた。

そして、綾音に厳しい視線を向けた。

「お前…この子に何をした?」

「はぁ?」

竜也の言葉に綾音は眉間に深く皺を寄せた。
厳しい視線に訳のわからない質問に思わず聞き返してしまった綾音に更に竜也は厳しい視線を向けた。

「何故この子は泣いている?お前が何かしたんじゃないのか?」

綾音にその言葉が深く突き刺さった。
綾音が何かしたのを決めつけたかのように恵を宥めながら睨み付けてくる竜也。

綾音は春先の出来事を思い出していた事もあり、悲しくなった。

(結局こいつも見ただけで決めつけてやがる。)

「チッ。胸くそわりぃ。」

綾音はそれだけを言い捨てて生徒会室をあとにした。

出ていくときの綾音は泣きそうな悲しそうな顔をしていて竜也は思わず固まってしまった。


バタン


綾音が閉めた扉の音がやけに響いた気がした。




「…今のは一方的やないですか?」

関西なまりがある少年の声で竜也はハッと振り向いた。
会計の富田一弥が厳しい顔つきをしていた。

「どういう意味だ?」

竜也の言葉に一弥は溜め息を漏らし立ち上がり入り口に歩いていった。

「狼牙は闇雲に暴力はふるわん。それを春先話したあんさんが真っ先に疑うのはどうかと思います。
狼牙とその少年に聞くのが先とちゃいますか?なんもないのに狼牙が生徒会室に来ることがないんやから。」

それだけ言って一弥は生徒会室を後にした。

竜也は舌打ちをしそうになるが、連れてこられた少年を見て見ればすでに泣き止みキラキラした瞳で竜也を見上げていて、少し引いてしまう。

「俺、今日転校してきた花崎恵!峰とはぐれて、綾音に連れてきてもらったんだけど、綾音ずっと怖い顔で怖かったんだ。
でも、あんた凄く優しいな。」

「…あぁ。お前が転校生か。
俺は、あんたじゃなく生徒会長の神楽坂竜也だ。」

「そっか!竜也って王子様みたいだな!」

と満面の笑顔で言ってきた恵はその辺の女の子より可愛い。竜也もそこに残った役員も恵の笑顔に見惚れた。

だが、竜也はすぐに綾音の顔を思い出す。



泣きそうな、悲しそうな顔をしていた。



(俺は…傷つけた…。)



その後から副会長の峰も帰ってきて、恵を中心にお茶会が開かれて騒がしくなったのだった。







- 5 -
------------------------------

------------------------------


/19 P

------------------------------







⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

[←戻る]