ヒラリ、ヒラリ、
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02涙、一滴(1/2)
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綾音は春先の出来事を思い出した後、ふらっと立ち上がり屋上を後にした。

行き先は温室へ、今日は天気が良すぎて屋上では暑すぎる。

綾音は眠気の残るまま欠伸をしながらフラフラと歩いた。

ガサガサガサ

温室へ向かう林の中で草を掻き分ける音がして足を止めれば、ドンッと激しく小さなものに抱きつかれて、目線をしたにすればフワフワの茶髪に青い瞳をウルウルさせた美少年がいた。

まだ眠気の残るボーッとした瞳で見下ろす。

何故か少年は顔を真っ赤にしていた。
そして………

「っく、ひっく。」

誰もが甘やかしたくなる可愛らしく泣きはじめたのだ。

だが、そこは綾音。
眉間に皺を寄せ、面倒臭そうに見下ろした。

「なんだてめぇは。離せ。」

綾音の心底めんどくさそうな言いぐさに少年はえっ?という顔をしたかと思えば、更に泣きはじめたのだ。

「お、俺。今日、転校してきて、案内人ともっはぐれて、道っわかんなぃ。」

聞いてもないことを言われて内心舌打ちをする。

(チッ。聞いてねぇよ!めんどくせぇ奴だな。)

綾音の心の声を無視して少年が更に続ける。

「副会長の、峰っとはぐれて、ヒック、俺どこいけば良いのぉ?」

(副会長…生徒会室か?あ"ぁぁ!!マジめんどくせぇ!!!)

「チッ。」

綾音は舌打ちして少年を引き摺るように歩き出した。
すると少年は泣くのを辞めて笑顔で自己紹介を始めた。

「お前優しいな!俺は、花崎恵。名前何て言うの?」

少年の変わり身の早さに綾音は心底引いた。

「(こいつ、嘘泣きかよ。きめぇ。)……狼牙綾音だ。」

たっぷり心の中で毒づき、早く別れたい一心で足を早めたのだった。

それから生徒会室につくまで花崎恵は1人延々と話続けたのだった。






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