午前5時に晴れは来る。

・澱む午前1時。(2/14)






休みの日はすることがなくて困る。
いつものローテーションが崩れて、手持ち無沙汰になる感じが好きではない。


美容院、新しいネイル、メイク道具の買い足し、洋服の新調、部屋の掃除、シーツの洗濯、


やらなければならないこと、やっておきたいことを列挙すればこれだけあるのだけれど
何一つ手付かずのまま、ベッドにぼうっと凭れ掛かっている。


いつもならこの時間、夕方4時を回ったあたりの私は、仕事に行くためシャワーを浴びて、メイクをして、着替えなんかを済ませているのだ。


そのどれも出来ておらず、
缶ビール片手に時間を埋めるように夕方のニュースを聞き流している。


頭が痛い。


自堕落と呼ぶに相応しい生活を
変えたいような、変えたくないような。


なんとも形容しがたい感情を抱えながら缶を傾けていると、ピロンとラインの通知。


見てみると、それは私の彼氏からで。




〖今日行くからね。〗




と、ただそれだけ。



それだけなのだけれど、休みだしちょうどよかった、と安堵に似た気持ちが湧き上がる。


休みの日の自分は、いつも以上に無価値に思えるから。


何もせずぼうっと過ごす時間で、自分は世の誰にも認識されず、一人夕日に溶けてしまいそうになる。


だから、このタイミングでの私の彼氏からの連絡は救いのようにも思えるのだ。


私が認識されている、価値がある、と。


この人はいつもタイミングが良い。




〖わかった。今日は休みだからいつ来てもいいよ。〗




そう返事をして、スマホを投げる。


化粧だけはしなければ。


翔にすっぴんを見せたことなど、ない。






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