恋に落ちるその日まで -2nd-
[君のためにできること](1/12)
え?いる?この数…
開口一番、そう言いたくなる。
大小様々なディスプレイに、何に使用するのか、もしくはただのインテリアなのか…
用途不明なオーディオ機器?のような物に、ロボット?の様な物に、大量の雑誌や専門書。
「・・・男の子のお部屋って、こんなだっけ?」
「…普通に恥ずかしいから…」
意味不明なまでのAV機器やロボットの陳列に、思わず部屋を見回してしまう。
「ぜ、全部が全部趣味ってわけじゃないからね!?大学の研究資料だったり、研究作品とか…」
「ほぉ〜…」
部屋の隅々まで見回している栞を横目にしながら、翼がこっちこっち!と栞の背中を押して誘導する。
「・・・てか、ホントにここで見るの?」
「だって、うちのテレビよりいいでしょ?よく分かんないけど、音とか?映像とか?」
「さぁ分かんないけど…」
ここどーぞ。と座らされた特等席は1.5人がけのサイズ感で、波打った不思議なデザインの足まで伸ばせるローソファ。
そして、これがまた…
ー1回座ったらもう立てないやつだぁ〜♪
包まれるように座ると、眼前には大型のディスプレイが横並びに3台。この3面のディスプレイがどうやら合わせて1面の映像を映し出すカラクリのようだ。
すでに何かのアトラクションに乗る時のような、そんなテンションになってしまう。
「すっごぉ〜い!何これ何これ、何が始まるの!?」
「ぃや、あなたの持ってきたDVDでしょ?」
そう言って苦笑しながら、あれこれと機械を操作する翼を眺める。何だか、ずいぶん一緒にいる気がしていたが…翼のこんな一面は初めて見る。
球体の様なリモコンで部屋のライトを落とすと、周りのオーディオたちが一斉にふわっとブルーに光出した。
「わわぁ…キレイ!」
「はしゃぎすぎ」
セットが完了した様子で、翼は大きなクッションを抱えて床に座った。
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