ひとりごと。
−声− ( 1 / 1 )
ボクにはみせない、そんな顔を
キミは持っていたんだね
その横顔がボクには痛い
閉ざされた扉の前で
取り残されたボクは
どこへ向かえばいいのだろう
楽しそうな子供達の声が
こんなにも近くで聴こえているというのに
誰かの声がボクを急かして
誰かの声がボクを引き止めた
次に出てくるのは何番目のボク?
あの曲がり門からキミが現れて
懐かしい顔をして笑いかけてくれたらいい
だけど
そんな望みは何一つ叶うことがなく
誰もいない道に
ただ寂しさを覚えた
ああ このまま
きっともう会うことはなく
互いに違う時を刻んでいくのだろう
わかっているよ
わかってはいるけれど
せめてもう一度
その甘い声で
僕を呼んでよ
p.3
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