赤いノート
[明徳](1/9)
寝返りを打ったとき、やけにベッドが広いことに気づき、目を覚ます。
樹里がいない。
「樹里?」
寝室にはいない。
樹里が寝ていたところを触ると、もう、温もりは感じられなかった。
今、何時だ?
サイドテーブルの目覚まし時計に手を伸ばす。
3時半になろうとする頃。
トイレに行ったかと思い、寝室を出てすぐのトイレのドアをノックするけど返事はない。
ドアを開けてみる。
樹里はいない。
階段を下りる。
下りながら、樹里の機嫌を損ねるようなことを言わなかったか、記憶を辿る。
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