赤いノート
[明徳](1/7)
樹里と知り合ったのは、樹里がまだ高校生の時。

大学に通学するのに使っていた、電車の中だった。

一目見て、かわいいコだな、と思った。

その時はただ、それだけだった。

当時、俺には彼女がいたから。

2つ年上の彼女。

ふわふわ風船のようで、捕まえたつもりでいても、手からすぐに離れていく、そんな女だった。

でも、俺は彼女に夢中だった。

大好きだった。

愛してた。


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