色褪せたバラ

 第 2 章 1/17









俺は美羽の側に落ちている契約書を拾ってファイルに挟んだ。


そして美羽の目の前に座った。




それに気づいた美羽は怯えたように、じりじりと座ったまま後ずさりしようとする。



けれど俺は後退する美羽の足を掴んだ。




「いや‥‥ぁっ‥!!」





‥‥いちいち ビビんなよ




「動くなって。
取れねーだろが。」






俺は美羽の足に絡み付いた鎖に手をかけた。




―――カチャッ カチャッカチャカチャッ




「っ‥‥痛っ‥!」



あまり鎖を動かすと擦れて出血した部分が痛むらしい。



よく見れば、
血のでていないところまで
真っ赤になっている。




「暴れたからだろ。最初っから大人しくしときゃよかったんだよ。」




「だって‥‥‥怖かっ‥‥」



また美羽の目からポタリと一粒の涙がこぼれだした。










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