***** (2/2)
「そーだ!ハルキ、がっこーでべんきょーしたことをパパにみせてみて」
がっこー、で、べんきょー。
子供に話してるからなのか、その変な言葉に僕は気持ち悪さを感じた。
妻はちゃんとした言葉で話すはずなのに。
「でもー…やだよー…」
ハルキが僕のことをちらっと見て躊躇った。
「パパ、みせてほしーな。ハルキ」
「…わかった」
こくりと首を縦にふって、
ハルキが恥ずかしげに、でも誇らしげに口を開く。
「*****」
「………………へ?」
なんだ。
全く聞きとれなかった。
なんだ…?
「だからやなんだ。パパは『忘れてる』から」
ぽつりと、ハルキが呟く。
その瞬間、突然鳥肌がたった。
変な感覚が、また僕のまわりに戻ってくる。
「*****だよ、パパ」
なんだ。
なんだこれ。
…………『忘れてる』?
『忘れてる』って、なんだ?
僕は何を忘れてるんだ?
『とられた人は、自分でそれをわからなきゃだめなんだよ』
──昼間の、ハルキの言葉が、よぎる。
苦しくなってきた。
僕は、口をパクパクさせた。
まるで酸欠の金魚だ。
苦しさを感じる。
『忘れてる』ってのは、こんなに苦しかったのか。
助けてくれ。
助けて。
「ハルキ、助けてくれ」
僕は目に涙をためて、ハルキに懇願した。
「パパ、へーきだよ」
「ハルキ…」
「しゅじんこーたちが、たすけてくれるよ」
きっとね。
ハルキは、楽しげに笑った。
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