愛都市の異常な日常
#[ミラクル・クリエイター](1/21)
#ミラクル・クリエイター
 色葉区にあるとある公立高校。その昼休みの空き教室の一室に、四名の男子生徒が集まっていた。それも四枚の千円札が中心に置かれた雀卓を囲んで。
「お前、そこまでいい配牌じゃないだろ」
 男子の一人がペーを捨てたのを見て、天崎銀司は頬をにやつかせながら指をさす。さされた側は「何言ってんだよ、お前ー」と茶化しながら、アガれる気のしない牌を見て内心慌てていた。
「出たー。麻雀の時だけ出てくる銀司の謎の勘。あとポン」
 仲間内の一人の宣言に、直前の人間が青ざめた。
「お前のその勘のよさ、マジで麻雀意外に発揮できないのかよ」
 さらに次の番の少年がイーワンを捨てながらぼやいた。
「はい、予想通り。チーな」
 それに対して銀司は、シュンツを公開しながら捨てられた牌を持っていった。すぐにほかの三人から「えー! マジかよ!」「予想通りってどういうことだよ、お前ー!」などの声が上がる。その左手の人差し指の腹には、『1711―RU』という青い数字が浮き出ていた。
 『Q・&・A』 それが彼のギフトだった。
 能力は、相手の思考を一問一答形式で読むことができるというもの。一例を出せば、相手を見つめた状態で『○○の役が揃っているか』と念じることで、イエス、ノーの文字がその人物の頭上に現れる。もちろん、これは銀司にしか認知できない文字である。
 銀司がこの力に目覚めたのはつい最近の話だった。ともすれば数千円単位の高校生の賭


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