藍と紅の空
No.1-[事件](1/30)


あれから5年ほどたった頃。

メイオス国王であり、私の父であるロンネル・シーランダーは、国内で起きているある事件に頭を悩まされていた。


「ロンネル王、今月に入って4件目です。
先月から数えると、もう7件になります」

「そうか……
報告ご苦労。調査を続けてくれ」


国の衛兵が父に報告に来た。
4件目と言うのは、事件の件数。
あの残酷な事件の……。


あれは先月の末のことだっただろうか。
ある豪邸でパーティーを開いていたところ、藍色のマントを羽織った若い男が、一人の婦人を連れ去って行った。
そしてその婦人は、翌日冷たくなって帰ってきた……。
その事件がすべての始まりで、それからそんなような事件が続いている。


そして、すべての事件に共通していることは、藍色のマントの男が去り際に言い残していく言葉。


「これは儀式。
誰にも邪魔はさせない」


この言葉をめぐって、今、国中の学者達が動いている。




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