藍と紅の空
No.0-[紅の姫君](1/7)
「姫様!お待ちください!」
澄んだ、はりのある声が遠くから聞こえる。
ああ、侍女のルミナだ。
運動が苦手なのに頑張っちゃって。
「ルミナ!
無理しないで貴女はお城に戻っていなさい」
私は自慢の紅色の髪をなびかせ、風を切って走っていく。
私の髪は紅色。
そんなわけもあって、人からは『紅の姫君』と呼ばれている。
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