愛という花
■[第3章〜公園友達](1/6)
お風呂を済ませてベッドに入ったのは22時ぐらいだった。
まだ寝る時間には早いけど、今日も十分疲れていた。
携帯はどこも壊れてなくて、一応サイトで料金とか確認してみたけど特に大きな変化はなかった。
むしろ普段使ってない事を再確認しただけだった。
携帯を拾ってくれたあの人とのやり取りを思い返せば…かなり突っ込みどころ満載だったと思う。
じゃあ、また!…ってあの人は言ってたけどまた会う事があるんだろうか…。
明日も、学校。
沖野さんが見せた悲しい表情が頭に浮かんできた。
胸が小さな針で刺されたように疼いた。
この日を境に私の中で大きな歯車が動き始めていた事に私はまだ気付いてなかった…。
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めずらしくゆっくり寝てしまって、次の日学校に着いたのは遅刻ギリギリだった。
かと言って焦って学校に行くほど寝坊はしてないが。
教室に入って席に着くと、自然と沖野さんを目で探した。
…いない?
キーンコーンカーンコーン…
ドタドタドタッ!!
…かと思ったらチャイムと同時になだれ込んできた他の生徒と一緒に息を荒くしながら入ってきた。
「はい、早く席について。」
徳川先生も入ってきた。
前を向いてHRを聞いてるフリをしながら、私の意識は沖野さんに向いていた。
周りの誰かと話すでもなく、まぁHRだから話してはいけないのだが、…何となく違和感を覚えた。
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その日1日見ていたが、沖野さんの様子はやはり変だった。
話しかけられれば応対はするがどことなく一歩引いた感じでいて、基本1人だった。
お昼もどこかで食べていたみたいだし。
昨日のあのニコニコした様子からすると、やっぱりどこか影を落としたような感じに違和感を覚える。
…考えたって仕方ないけど。。
ため息を誰にも分からないぐらい小さくついて学校を後にした。
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