毎日が宝石だった

[1](1/7)

萩原要。26歳。元会社員。現無職。

会社を辞めた理由は、「なんとなく」だった。

取り返しのつかないミスをしたとか、上司のパワハラに耐えきれずとかは全くなく、このまま定年まで同じ会社で同じ業務をやっていかなければならないのかをふと考えてしまい、次の日には退職の意思を伝えた。

はじめはやはり説得されたが辞める理由が「なんとなく」ということを伝えると、きっと呆れたのだろう。何も言われなくなった。

最近の若者は、、と言われてもおかしくないなと思いながらも上司の話を聞いていた。

- 1 -