[契約という名のもとに](1/36)
―――――――私はどうやら 完璧に彼に溺れてしまったらしい……
｢――――佐倉 なんですかこの点数！？｣
ぽかぽかと春の陽気
蝶々はパタパタと飛び
花は沢山咲いている
遊びたくなる日に
私に怒鳴るとしたら奴しかいない――…
｢…………だからごめんって…ひむろっち｣
｢それが先生に謝る態度か！？
てか俺はお前の同級生かっ？｣
―――心の中は同級生だよ
春陽気の中 私は担任のひむろっちこと氷室せんせーに職員室に呼び出された
もち 髪などの服装のことではなく 紙切れについて―――…。
｢お前受験生という自覚、あるのか！？
高三の最初に取る点数じゃないだろっこれ！｣
目の前に突き出される 私の解答用紙
バツばっかりで真っ赤っ赤の痛々しい解答用紙君
可哀相に―――……
赤い上に ひむろっちが力強く握るからシワになってる……
｢ひむろっち。
解答用紙君がくしゃくしゃで可哀相だよ｣
｢俺のほうが可哀相だっ！！｣
…………………まあ その通りです
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