[別れ](1/5)
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何度、このアナウンスを聞いただろうか…。
バン！！！！
意味の無い。
意味の無い、この機械を俺は耳から話して壁に殴りつけた。
もちろん壊れる機械。
だけど、それより壊れているのは――――…。
｢詩呉様…っ！！」
せつなげな声で、俺を呼ぶのは篠澤。
違う…。
俺が聞きたいのは…、
俺の心が満たせるのは、その声じゃない…。
――――――｢なんて面(つら)、しているのよ」
俺と、篠澤の二人きりの空間だと思っていたのに。
第三者の声がして、俺は伏せていた顔をあげた。
金髪の、輝く髪に、一瞬…、驚いて目を見開き、とびかかりそうになったが。
｢…美月さん」
俺が求めていた人ではないことに気づき、失笑した。
｢なんて面よ、しぃ坊。
この汚い部屋は何？空き巣にでも入られたわけ？」
美月さんは、俺の部屋を見るなり、眉間にしわを寄せた。
俺の部屋…。
紙や服が散乱していて、汚い。
俺の顔は…、きっと、寝不足で汚い顔に違いない。
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