蒼と狼の物語
[総司の過去](6/6)
ずっと昔から一緒にいた仲だったからこそ、土方は沖田の前で副長の仮面を脱ぐのか…
蒼子は微笑ましく思うと同時に、羨ましくもある。
そんな人がいたら…。
そう思う。
「湿気た顔してねぇで、体起こすぞ」
「は、はい!」
沖田を見れば、もうおにぎりを頬張っていた。
体を起こしてもらって、温めてくれたお粥に手を伸ばす。
「美味しい…」
小さくそう言えば、土方は満足げな顔をして口角だけをあげる。
沖田はふんっと拗ねてみせた。
そんな小さな幸せを噛み締めて、蒼子は心から二人に微笑むのだった。
- 411 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
[←戻る]