蒼と狼の物語
[総司の過去](6/6)

ずっと昔から一緒にいた仲だったからこそ、土方は沖田の前で副長の仮面を脱ぐのか…

蒼子は微笑ましく思うと同時に、羨ましくもある。

そんな人がいたら…。

そう思う。

「湿気た顔してねぇで、体起こすぞ」

「は、はい!」

沖田を見れば、もうおにぎりを頬張っていた。

体を起こしてもらって、温めてくれたお粥に手を伸ばす。

「美味しい…」

小さくそう言えば、土方は満足げな顔をして口角だけをあげる。

沖田はふんっと拗ねてみせた。


そんな小さな幸せを噛み締めて、蒼子は心から二人に微笑むのだった。



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