蒼と狼の物語
[男色](2/17)
蒼子は沖田の呼び掛けに笑顔で答える。

体調も頗るいい日が続いてて、皆に迷惑掛けることもここ一月はなかった。

重蔵に未来から来たことを話してからは、随分仲良くなって打ち解けたように思う。

此処の生活は心地好くて、ついつい忘れてしまいそうになる。

もう少しで…年があけると言うことを。


そんな正月間近の今日は一段と冷え込んでいて、何時ものように沖田と重蔵の間に腰掛けて温かいお茶を啜る。

「今日は一段と冷え込んでますから、蒼子さんは風邪を引かないように気を付けてくださいね?」

羽織の上から更に羽織をかけられるが、沖田の方こそ労咳疑惑があるので風邪を引かれてはならない。

土方から毎日医者に診て貰えと副長
命令を言われてから、沖田は文句を言わず毎日医者に通っている。

毎日じゃなくてもいい気もするが…。
そこは土方、抜かりはない。

蒼子はやんわりと沖田に羽織を返した。



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