蒼と狼の物語
[桜家](1/13)
対して力を入れたつもりはなかった。
だが思いの外吹き飛ぶ彼女に目奪われ、反射的に手を伸ばせば彼女は既に副長に助けられていた。
副長に寄り掛かりながらも、俺に視線を合わせたまま彼女は何か言いたげにしていた。
そんな彼女を征して、俺を殺気溢れる目で睨み付けてくる副長。
嫌、見えずとも背後からも感じる二つの威圧感。
彼女はどうやら本当に気に入られているらしい…。
かくいう自分だって、彼女が桜家の者だと分かるまで彼女に目を奪われてた一人にすぎないのだが…。
重蔵は深くため息をつく。
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