蒼と狼の物語
[副長の小姓兼女中です!](44/44)



止めたはいいが、何て言おう。

躊躇うが言わなきゃ…

「私は歴史を知っています。貴方達の行く末を…何故…聞かないんですか?」

斎藤と土方は眉を寄せ、険しい顔で此方に視線を送ってくる。

近藤は困ったように笑いながら口を結び、山南は言わんとしてる事情を察しているのだろう、心配そうに見詰めてくる。

原田や藤堂、山崎、沖田はキョトンとしていて、永倉はただじっと蒼子に目線をやっていた。

「聞いてくれれば…私は話します。貴方達の……」

「はん、くだらねぇ」

鼻で笑われて、蒼子は怪訝そうにその本人を見る。
そうすれば、真っ直ぐな視線が返ってきた。

「くだらねぇな、そんなの知ってどうする」

蒼子は口を開こうとするが、そんな蒼子を永倉が止めに入る。

「俺等はこの時代で一旗上げる。先を知っちゃあ頑張るもんも頑張れねぇ、てめぇは余計な事言わずに今を生きろ。先の話を聞くために俺等はお前を置く訳じゃねぇ」

坦々と述べられる言葉が、胸に染み込む。

「…だが、1つ教えろ。お前の時代は¨平和¨か?」

「……っ!」

息を飲む。

こくりと頷けば、土方は優しく笑う。

「ならそれ以上、聞くことはねぇよ。それだけ聞ければ、俺等は前に進める」

涙が浮かんでくる。


『誠』をかかげ、京を守ってきた彼等は…。


今、私の前にいる。

胸が熱くなった。
溢れてくる気持ちがたくさんあるが、そのどの感情も目の前にいる彼等には敵わないと思った。

それと同時に、やはり歴史をねじ曲げてでも護りたいと…そう思った。



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