後悔
[取り戻す時間](1/7)

7年も経って、今やっとケイスケと笑顔で向き合えている。
私がしたことはいけない事には変わりない。
今こうやって笑い会えてるからといって過去は無くならない。
その事を再認識しながらも、やっぱり今は嬉しかった。
ケイスケも嬉しそうにしてくれいる。

2人でまた笑いあって、ベンチを立った。
ケイスケと友達になって、並んでお店まで歩きだす。
少しずつ、また賑やかな通りへ。


「もし、アカリが嫌じゃなかったら、アカリが働いてるサロンまた行ってもいい?」

「え?うちに?」

「うん。オレ、この髪型気に入ったんだよね。
あの子、若いのになんか凄いよな!センスを感じる!
あっ、でも……オーナーやマコトくん?は嫌かな?やっぱ。」


気に入ってくれたんだ。
アツシが頑張っているから、その結果が出た証拠だ。


「そんなことないよ!
気に入って貰えたなんて、絶対アツシ喜ぶし、みんなも喜ぶよ!」

「なら、オレも嬉しいよ!
でも、オレからオーナーに言ってみる。
俺達の状況があんなんだったから、心配だろうし。
なんか、アカリの「兄貴」みたいな感じするし、了解貰った方が行きやすいかも。」

「うん。それじゃ、改めて紹介するよ。
みんないい人ばかりだよ!
確かにオーナーはみんなの兄貴みたいな感じかも!
ケンジさんって言うんだよ。」


凄く嬉しかった。
戻ったらみんなに報告しよう。
店に近づくにつれ賑やかになる街のネオンみたいに、私の心もどんどん明るくなっていった。

いつの間にかもういつものバーに着いていた。
2人で少し立ち止まり、顔を見合わせた。

どんな顔で入ろうかとかなんて言おうかとか色んなことを思うが、少し気持ちが晴れやかな分、緊張感はまだ軽いものだった。

馴染みの扉の前で、心の中で「よし」と勢いをつけた。

カランカランとベルが響くと、


「アカリ!」


ドアを開けたとたん、突然大きな声で名前を呼ばれた。


「はっ、はい!?」

「やっと!やっと帰ってきたぁ!」

「お前!心配するだろ!」



マコトとヤヨイさんだ。
いつも冷静なマコトまでもでもがすごい勢いだ。


「ご、ごめん。
そんなに遅かった?」


時計を見ると、10時を少しまわったところ。

私達が最初に来店した時間から考えても、多分ケイスケと話してた時間は1時間までは経っていないみたい。
もっと長い時間に感じていた。


「あれ。思ったり時間立ってなかったね、ケイスケ。」

「あ、ほんとだ。」



「「…………」」


二人の顔をみりと、口を二人ともあんぐりさせて私達を見てる。


……お前、どういう……?」

マコトなしたの?」


珍しいマコトのあまりのどもり具合に少し笑ってしまた。
ヤヨイさんも呆気にとられたような顔をしている。


「なしたって、そっちの方がなしたの
なんでそんな、ほのぼの……?」

「そ、そうだよ!出てった時と雰囲気が違いすぎるだろ?!」


確かに。
でも、あまりの戸惑い具合に思わず私が笑うと、ケイスケも我慢してたのか釣られて笑った。



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