[闇夜桜](1/1)
左手に進むと辺りに立ち込めていた幻惑が薄くなっていた
これも玉藻前の成せる技か?
滝壺には唐の国の物であろう美しい黄金の壷が置かれていた
黄金の壷を手に取ると滝壺から妖狐の里へと変わっていた
「お待ちしておりました」
「玉藻前様に会いに来た、案内を頼めるだろうか?」
「かしこまりました」
妖狐の里は魔界と違い、四季折々の桜の花が咲き乱れ、平和そのものであった
屋敷に案内されると、女狐に酒を勧められていた玉藻前の姿があった
「そなたが艶か…皆の者は下がるが良い」
女狐は玉藻前に会釈し下がっていった
艶はこのような者が里を束ねているのに疑問をいだいていた
「ふむ…まだ若いだけある…」
玉藻前は酔っているのか、艶を強引に抱き寄せた
「やめて下さい!」
「そなたに拒否する権利はないぞ?」
胸を確かめるようにゆっくりと舌を這わすと、艶の着物を襦袢だけの姿にした
「嫌っ」
「ふっ…ちょうど魔界が混乱していて助かった」
「えっ?」
「そなたを手に入れたのだからな」
最初からそのつもりで?
玉藻前程の妖力なら人間を操るなど造作もない…
ましてや他のあやかしも従えれるであろう…
「しばらくはここに住むのだぞ?我が后としてな」
「っ!」
(晴明…夕霧っ…)
玉藻前は小瓶を取り出すと自分の硬くなったものを引き抜き、艶の花びらの中に指を入れていく
「強力な媚薬だ…楽しもうではないか」
しばらくすると媚薬が効いてきたのか、身体が熱く感じていた
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