[喪失](1/1)
都に戻った晴明は帝に今までの経緯を説明していた
「やる事は多いが、私はお前に任せている…よいな?」
帝にここまで信頼されているのも晴明だからであろう…仮に他の陰陽師が居ても晴明には遠く及ばない
「ありがとうございます…では、これで」
陰陽寮に差し掛かると他の陰陽師が晴明の元へやってきた
「晴明…生きていたのか?狐の娘に弄ばれたのだろう?」
「関係のない事では?」
一礼をしそのまま屋敷に戻ったが気が高ぶっていた
(勝手な事を…しょせんこの程度か…)
「晴明、邪魔するぞ」
「博雅、酒があるぞ?」
「あぁ…帝から聞いたよ…それでよかったのか?」
(痛い所を…まぁそれが博雅らしいといえばらしいが)
「あいつが決めた事だ…俺には決めるわけにゆくまい」
「一緒に帰って来ると思っていてな…着物などを買ってしまったよ」
見ると唐の国からの着物などが大量にあった
「気に入ったのだな?」
晴明に言われて思わず酒をこぼしてしまっていた
「違う!妹君と同じだよ…俺が晴明の大切な人を取るわけないだろ」
「そうか」
(変わってないな…変わったのは艶だけだ…)
- 5 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品レビュー
⇒モバスペBook
[
編集]
[
←戻る]