ザ・ダークマター
[エピローグ『日はまた昇る』](1/1)



 『対外宇宙対策本部』のメンバーは、太陽系連邦政府及び総統府の勲章を受けた。

 その他に宇宙軍と科学省にも勲章を貰った。

 その他にも大小さまざまな勲章や表彰状を各部署から貰った。

 それに伴うセレモニーも同じように出場した。

 10日で9つもこなした。

 連邦政府総務部に臨時でマネージャー班が設けられ、それらは滞り(とどこおり)なく遂行されていった。




 そして2年の月日が経過した。

 オリヴァー・ホークショウとセイレーン・ガルシアは結婚した。

 籍だけ入れて、結婚式と披露宴は開かなかった(彼ららしいと言えば言えるか)。

 新婚旅行も行わなかった。

 セイレーンは結婚後、軍部を退役した(他のメンバーはそのまま続けた)。


 やがて2人の間に3人目の子供が生まれた。

 セイレーンは30歳に達していた。




 ある日の午後、彼女は芝のある庭で安楽椅子でうつらうつらしていた。
 
 優しい風が頬を撫でる。


 “セイ……レーン……良かったね……。おめでとう”


 セイレーンはガバッと起き上がり、辺りを見渡した。

 しかしそれからは何も聞こえなかった。

 彼女は膝まつき、手を組んで目を瞑った。


 “クローム、ありがとう。あなたもお元気でいてね……”


 優しい風は吹き続けた。




          ─ 完 ─



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