ザ・ダークマター
[第9章『裏切り』](1/7)

 「副隊長、我々はどうなってしまうのでありましょうか?」

 狭い箱の内部で黒薔薇副隊長のモモは、まだ若い隊員に聞かれた。


 先程、超巨大な吸収装置で囚われの身になったのだ。

 そして次から次に吸収されていく。


 モモは力強く答えた。
 
 「クローム隊長の言葉を信用するしかない。我々は隊長と一心同体である!」

 「はぁっ!」


 若き隊員の返事を聞いてから、彼女は精神を集中させた。

 “クローム隊長、聞こえますか?私はモモです。クローム隊長”

 “ああ、聞こえる。どうした?”

 “はっ。隊長のおっしゃったように、先程捕縛させられました。”

 “うむ、それでみな大丈夫か?”

 “はっ。今のところはですが、被害は無いようであります。”

 “そうか。報告感謝する。そしてすまない。”

 “いえ!我々は隊長に着いて行くと決めたのですから”

 “そうか。みなにもよろしく伝えてくれるか?”

 “はぁっ!ではまた後程”


 科学省の特別ラボの地下2階、クロームの意識がクリアになった。


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