サンタの正体は
知らなくて良いこともたくさんある
知らない幸せ
- 愛しさとか
- 切なさとか
- 心強さとか
どうでもいいけど下から本編
サンタ
は)[世の中見た目](1/1)
ザッ……ザッ……
不意に物音で目を覚ます
あれから爆睡し、時計を見れば案の定深夜だった
さっきのは……
外からの足音だったけど歩行者にしてはかなり近い位置だった気が
ザッ……ザッ……
その足音は私の部屋の窓の前で止まった
私はおそるおそる窓を凝視する
そこには人の形をした小太りのシルエットが見えた
部屋は電気を点けてなく、それ以上は暗くて確認できない
まさか……
咄嗟に布団に潜りこむ
心臓の音がうるさくなる
暫く待つとカチャカチャと何かを取り出す音が聞こえるとカシャンと静かに窓が割れる音がした
窓が割れる音?
えーーー!!確かに煙突無いけど、入りかたワイルド過ぎるでしょ!!
もう少しファンタジーな入りかたはなかったのかと思っているとそれは部屋に入り足音がすぐそばまで来た
「寝室か……なさそうだけど一応見てみるか」
それはひとり言を呟くと私のベッドの脇の引き出しに近付いた
なさそう?なにが?
疑問符でいっぱいだったがそんなことよりも私はそれを見たいという衝動にかられていた
そっと布団をめくり、それを確かめようとした瞬間
シュッ……
体を動かした時の衣擦れ音をたててしまった
それは咄嗟にこちらを向く
暗くてシルエットしか解らない
ここまできたらと私は立ち上がりやけくそに電気を点ける
暗闇に慣れた目が急な光りで痛かったがしっかりと視界に捉えた
頭には三角帽子ではなくよれよれのハンチング帽
口には白髭じゃなくて口周りをぐるっと囲むようにした黒髭
服は赤くなく地味な色でまとめたジャンパーとズボン
男はハッとすると
「騒ぐな!」
一度怒鳴るとこちらを伺い焦っている
「た、頼むから騒がないで。ね?」
今度は優しい口調になりあたふたしていた
どうしよう、どうしようとぶつぶつ言っているが私は聞かずにはいられなかった
「もしかして……」
男はこちらを向く
「サンタ?」
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