親友は俺の両親を殺した殺人犯。
・[8章](1/23)
[高峰side]
その連絡があったのは
僕が恭平と別れて十分後のことだった。
鶴田『神山さんの彼女…
桐川さんって人が、ここに来た』
彼女がどうして
僕の住所を知っているのか。
そんなことを思ったのは
連絡を聞いて、
走って家に着いた頃だった。
息を整えることなく
ドアを開けると
まだ玄関にいた彼女は
予報はずれの雨に濡れた身体をタオルで拭いていた。
桐川「高峰くん……」
僕の姿を見て安堵した様子の桐川さんは
柔らかい笑みを浮かべた。
僕「どうして…」
桐川「…隆ちゃんに、話があって。
ごめんなさい、いきなり」
僕「身体は、大丈夫なんですか…?」
すると彼女は困ったような笑顔を見せて
桐川「病院…
抜け出してきちゃったの」
よく見れば彼女の顔色は優れない。
僕「…困った人です」
僕は桐川さんの華奢な肩を支え
僕「…案内します。
神山さんの所へ」
玄関から神山さんの自室へと
ゆっくりとした足取りで向かった。
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