殺し屋逃避行



1.殺し屋さん(2/17)






真っ黒なセダンの車。
殺し屋さんは先に乗ってあたしを待っていた。




無言で車のドアを開け、助手席に座る。





「何、泣いてんの。」





殺し屋さんに言われて気づく、あたしの目からはポロポロと涙が溢れていた。





「ちが、う…。」





あぁ、こんなに涙を流したのは何年ぶりだろうか。






殺し屋さんは何も言わず、車を発進させた。




車内はあたしの嗚咽を洩らす声とバチバチと雨が車を叩く音だけが響いていた。






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