僕のペット俺のペット。
ギミック
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私のことは忘れたみたいに、一歩先をすたすた歩いてく陸。
黙ってついていく私。
微妙な距離。

─…もしかして陸んちでも、ずっとこんな感じなのかな…

私は小さくため息をついた。
てか、まず何で私を家になんか呼んだのよ?
しかもこんなテスト前の大事な時期に!


「おい。聞ーてんのか」

「ひゃ!?」


心の中で陸に対する怒りを募らせている間に、声をかけられていたらしい。
顔をのぞき込まれ、私は焦る。


「別になにもないよっ…」

「ふうん? 陸ムカツクって顔に書いてあるけど」

「え゙っ」


ばっと頬を押さえた私に、陸はくすくす笑いながら。


「図星かよ」

「…違うもん…」


頑張れ私!
負けるな私!
昨日の出来事を思い出せ私!


「まあ良いや。さっきから聞いてんだけど、アイス買ってくか?」

「アイス?」


気づかないうちに、昨日未来と来たアイス屋さんの近くまで来てたみたい。
…ってことは……
あの赤い屋根の家は、やっぱり陸の家……?


「おい。聞いてっか?」


ぐいと頬を引っ張られた。



「聞いてるよっ。…どうせ、私におごらせるつもりでしょ?」

「ぷっ」


陸が吹き出したから、私はむっとして、


「なに…」

「お前、被害妄想、激しすぎ」

「な、」

「仕方ないですね、今日だけはこの僕がおごってあげます」


今こいつ…
一瞬、聞き間違いかなって思うくらい、聞き捨てならないこと言った。


「……まじ?」

「嘘。俺様におごらせようなんて良い度胸だな」

「もう良いよ(怒)!」


私はむすっとしてアイス屋さんから離れた。


「あ〜、まじお前おもしれぇ」

「ひ、人で遊んどいて面白いってアンタは…!」

「はいはい。待ってて下さい、お姫様…」


陸は自分の荷物を私に持たせて、駆け出して行く。
暫くして帰ってきて、アイスを私に差し出した。


「ん。…桃の分」

「あぁー!! 新作だ、新作!」


不覚にも…
すぐ飛びついてしまった。


「がっつきすぎ(笑)」

「だって…これ、昨日売り切れだったんだもん」


自分で言ってからハッとした。
私ってば、なんて迂闊なカミングアウトを…!
しかし陸は動揺の欠片も見せなかった。



「うまいの? ちょっと頂戴?」


私の手のスプーンを奪い取ってぱくっと一口。


「ぎゃぁああ!! そ、そのスプーン私が食べ…!」

「ん。うまい」


再びカップのアイスにスプーンを刺すと、陸は勝手に歩き出した。
わ、訳の分からんやっちゃ…。
ぽかんと見つめてると、陸が振り返って手招きした。


「おいで?」

「……っ分かってるよっ」


あいつのペースに巻き込まれちゃダメだ。
昨日のショックを思い出せ。
遊ばれてること…腹立ててること、思い出すんだ…。

─よし。

私は駆け出した。




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