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●ギミック
(6/8)◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「………も。桃!」
ハッと顔を上げると、心配そうに未来と杏が私を見つめてた。
「大丈夫? ぼーっとしちゃって。授業終わったよ?」
「え、ああ…うん大丈夫」
「顔色悪い……」
杏が私の額に手を当てる。
「熱はない」
「…ほんと、明日高熱出たら良いのに」
「明日ぁ? 明日なんかあるワケ?」
「…なにも…」
─泊まりに来い
陸のことを考えただけで憂鬱になる。
そして頭の中が陸でいっぱいにさせられているという事実に、腹が立って仕方なかった。
ホームルームも終わり、杏は病院へ行くからと一足先に帰って行った。
次に彼女の姿を見れるのはいつだろう。
「もーもっ! アイス買って帰ろーよ」
「あ、うん♪ 裏門から行くとこだよね」
「そーそー。冬の新作おいしいんだって!」
「まじ!? 食べるー!」
子供みたいに他愛ない話をしながら、私たちは学校を出てアイスを買いに行った。
そのアイス屋さんは安くておいしくて評判が良いんだけど、住宅地のド真ん中に立ってるから近所の人は迷惑そう。
「あ、新作売り切れ」
「ちょ…買う気まんまんだったのに」
がっくりと肩を落とす未来を慰めて、私は一足先に店を出た。
そこで──
見てしまった。
仲良さそうに肩を並べ、住宅地の間を通り抜ける陸と…
杏の姿。
そのまま赤い屋根の家に、2人して入って行った。
「桃ー…。あたし結局チョコにしたよー(泣) ………桃?」
「……別に、良いんだよ」
「はい? 桃、なに?」
「最初っから遊んでることくらい知ってましたし? 最低な奴ってことも知ってましたし!」
「ちょ、桃どしたの!?」
「……ンな奴」
未来の存在も忘れるくらい、私はキレていた。
「最ッ低…! あんな奴…死んじゃえば良い!」
「桃…なにがあった」
「未来。めっちゃ腹立つ」
「誰が?」
「やけ食いする」
「はあぁ!? ちょ…待ってよ!」
びっくりして反応に困る未来を置いて、私は歩き出した。
一刻もここから離れよう。
忘れよう。
やっぱ遊ばれてるんだな…
って再実感した。
別に知ってたよ。
でも………。
何か悲しい。
そして無性に腹が立つ。
自分を否定されたみたい。
…杏も遊ばれてること、気づいてるのかな。
あいつが…
私の“彼氏”なの、知ってるのかな。
─泊まりに来い
ああそうですか、最近梶原様の中では1日1人自分の家に女連れ込むのがブームなんですね。杏の次は私ですか。ホント、良いご身分で。
私は心の中で怒鳴った。
精一杯の苛立ちと、今まで溜めてきた怒りを込めて。
──最ッッッ低!!!!
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