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●エンドレス
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<次の休み時間にコーラ買って来い。食堂の自販機右から2番目、一番上の段のコーラ。ゼロカロリー>
授業も3限目に入り、やや眠たい目をこすりながらシャーペンを走らせていると、そんな手紙が届いた。
手紙っていうよか、メモに近い乱雑な筆跡。
ノートの切れ端に書かれたそれは、私への“命令”。
その紙は内容とは打って変わって綺麗に折り畳まれ、これまた綺麗な字で<安西さん>と書かれていた。
その理由を私は知ってる。
─私に手紙が回ってくる間に、他の生徒に見られるから。
……でしょ?
心の中で罵詈雑言を並べ立てながら、私はその手紙を畳みなおす。
隣の席の親友がすかさず反応。
「また梶原くんから手紙? 仲良いよねえ、桃は」
そんなんじゃないんだよ──…!
って、叫んだ。
…心の中で。
休み時間になった。
私はダッシュで食堂へ走り、彼のお目当てのものを買って帰って来た。
教室に着くと、電気が消えている。
そういえば、次の授業は移動教室なんだった…。
また走るのかと思うと、憂鬱。
教室の前まで行くと、半開きのドアから最後に出てきた。
一番一番見たくない奴が。
「遅い」
眼鏡で。
長身で。
スタイル良くて。
顔も良くて。
生徒会長で。
性格は最ッッ低な、
あいつ。
「知らないし! こっから食堂までどんだけ距離あると思ってんの!?」
殴りかかる体制に入り、いざ右手を振り上げようとしたら。
ぐっと掴まれ。
「はな…してよ」
腕に力を込められ、
「右手振んな。コーラ吹き出る」
拳の中で握り締めていたコーラの缶を取られた。
その時、
「桃〜? 移動なのにいなくなったから、桃の分の荷物も出しといたよー」
隣の教室から、さっき野次を飛ばしてきた親友の未来が出てきて声をかけてきた。
「あれ、梶原くん? …あ、ゴメンゴメン、今日の日直あたしだったね」
ガチャガチャとドアに鍵をかけるこいつに、未来は手を合わせて謝る。
さあ、出るぞ。
こいつの一番、黒い部分が。
「良いですよ? 鍵くらい、最後に出る人がかけるのは当然じゃないですか」
─ほら、出た。
爽やかなセリフと一緒に、陸はにっこり微笑んだ。
梶原陸。
桜鈴(オウリン)高等学校、
2年2組。
2年のくせに、生徒会長。
容姿端麗、品行方正、
頭脳明晰、冷静沈着。
…は、表の顔。
本当は、
悪魔で鬼で人でなしで
ドSで鬼畜でろくでなし!!
そして私・安西桃は、
彼の“彼女”。
…という名の奴隷。
何でこんなことになったのか?
それは…、
間違いなく…
悔しいけど間違いなく、
私の失態。
全てはほんの1週間ほど前に遡る。
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