市民狩り───ハンティングゲーム(通称狩りゲー)
0[プロローグ](1/3)
我々の知らない何千年後の世界。
日本帝国。
帝王による統治により、国は数々の問題を回避してきた。
憲法も変わり、法律は全く異なるものになったのだ。
医学の発展、科学の発展により人の寿命は大幅に伸びた。また、病死する人は少なくなった。そのため人口が年々増加していく。本来なら良いことであるし、とてもめでたい。が、その人口数は我々の想像を越えていた。あっという間に日本は定員オーバー。日本の領土に住む場所がなくなったのだ。
これは大きな問題だと帝王は頭を悩ませた。
しかし問題はこれだけではなかった。なんと人口増加により国内での犯罪件数が脅威的な数字を示したのだ。
もし仮にも住む場所がない人々が何の対策も取らない帝王に嫌気をさして攻め行って来たらどうすればいいだろうか。ましてや今のこの現状は住む場所のないホームレスの方が多いのだから。
帝王は食事も喉を通らなくなった。
そして、見る見るうちに衰弱していった。
何も楽しみがなく、生きてる感じがしない。趣味もままならない。
愛する王妃も王子もとても心配した。
まだ幼い王子は父親を元気づけようとした。幼い王子が出来ることと言えばゲームの相手を父親にさせることくらいだった。
帝王は言う。
「どうすればいいんだい?」
幼い王子は説明した。
「お父様は敵の数を減らして」
お父様は敵の数を減らして。
は敵の数を減らして。
敵の数を減らして。
数を減らして─────
悩み窶れた帝王には救いの言葉に思えた。
そして。
帝王は歓喜にうち奮えた。もはや狂っていた。すぐに城の者による会議が、いや、帝王の考えたゲームのシナリオを聞かされたのだ。
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