高校生の神話的日常
◆[狐とワタシ](1/9)
暗闇のなか

よく見れば中性的な顔立ちをした七瀬の横顔は、



そっちの性癖の男にモテそうではある…いやいやいや!



俺は何を考えているんだ!!男だぞ!!




煩悩に染まった我が心を一生懸命になだめた





外ではガキ共が一触即発しているというのに……ん?



もう一度神経と目を外に向けた





「七瀬先生」



「何ですか?千龍さん」





「出ましたよ」







――――――――――――――――――…
復讐軍団はジリジリと後ずさる





誰もの顔が蒼白に歪み、足をガクガクと震わしている



「おらぁあ゙ッ!!さっさと失せろ雑魚ぉッ!!」




彼に情けは皆無らしいャ




すくむ足が動かず、思うように退散できない彼らに草薙は暴言を浴びせる



奇呼に手を出されて頭に来ているらしかった






「秋吉!!起きろよぉお!!」




草薙の前に倒れた仲間を助け起こしに行く勇気もない彼らは必死に仲間の名を呼ぶ。




不意に彼は目を覚ました。



それからフラフラ立ち上がって静止した




「秋、よし?」



普通ではなかった





頭を垂れてニコニコと笑っているんだから





「拓磨…あんた」




「ちっげぇよ!!あんなんで可笑しくなるかよ普通!!」



歯が折れるんだから相当の衝撃がかかっただろう




ラリってしまっても無理はない




「犯罪者見るような目で俺を見るなよ!!」





「ガキ共!!」



不意に千龍の叫ぶ声がした





「そいつは狐に憑かれてる!!」

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