ACCELERATOR

十二章[矛盾だらけの第一歩](1/1)
そんなこんなで退院の日を迎えた。


当たり前だけど誰も迎えなんて来ない


ただ、ナースステーションで「よかったわね」と見るからにベテランだろうという歳のナースに言われたくらい。



俺はとりあえず歩き始めた


行き先は目黒。





…目黒までしかしらない


ミックスは目黒に住んでるはずだが家までは知らないし住所も教えてくれなかった

ミックスにメールを送るとこうかえってきた


「夜7時まで仕事だ…夜8時に音の鳴る方へ行け」





「は?

わけわかんねぇ…

今、昼の2時だぞ?

あと6時間もなにしろってんだよ…」


思わず携帯に声に出してしまった…

当然ながら返事はないし、通行人は笑ってるし…



イライラする…



すると街の騒音からかすかに聞き覚えのある音が…



俺はミックスの言う通り音の鳴る方へ進んだ




だんだん人気がなくなって

だけど音は確かに聞こえてくる…





「これは、多分ストーンズだな…レコードかな?」










実際全て違った。



音の鳴るそこには


ただバーがあるだけ、昼はランチを出す…こ洒落た店だ



入ってみるとそこにはミックスがアコースティック・ギターを抱えてビートルズを弾いていた。



ミックスは

「やっぱり来たか…、座れよ。」



「お前仕事は?」

ミックス「ここで働いてるよ、今マスター留守だからとりあえずコーヒーいれてやるよ」

俺は座ってコーヒーを飲んだ。


ミックスは

「で、出来た曲ってどんなの?」


「英語の歌なんだけどさ…」

ミックス
「………………聴かせて」


一気にミックスの表情が険しくなる


俺は
「お、おう…」

と言って

店の片隅のステージみたいなところにギターを抱えて座って曲を弾いた















全て弾き終わるとミックスが言った


「お前、この曲7分もするんだ…ツェッペリンの曲みたいだな…」



ミックスの表情が緩む

続けて

「決めた…今夜家でその曲完成させよ!そんで、皆に聞かせよう」





ミックスは感想は言わなかったがひとまずミックスのツボはおさえたらしい。



すると、後ろから


「テクニックの部分は残念だな…」

と声がした


振り向くと


黒い服のオッサンが立っていた

ミックスが
「マスターお帰りなさい」


店のマスターの登場だ…



マスターは

「こいつか、お前が言ってたアホだけど凄まじい才能の持ち主ってのは…」



ミックスはうなずいた



マスターは

「お前今日から天狗にならないために家で働け」










強引だ



俺はすんなりアルバイトだけど職が見つかった



そして、ミックスは



無表情のまま話そうともせず仕事をしている


ヤクザみたいなマスターにこきつかわれながらその日に

ランチのオムライスの作り方だけ教わって

1日目が終わった…

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