コード:ブラッド
[仮面の少女](1/5)
広く晴れ渡った青空の下。
アスファルトが敷かれていた道路が草木に覆われた閉鎖区画の道を軽装甲車両が数台列を成して走行していた。
速度は40km。
道は亀裂が入っていたり、所によっては大小の陥没が見られる。
偶然、あまりにも巨大な大穴は道路に見られず、軽装甲車両が走行可能な程度に済んでいる。
「なーなーなー。現場にゃあとどんくんで着くのよ?」
先頭から2番目の軽装甲車両に乗っているレイがくたびれた調子で嘆いた。
『あと僅かだ。飽きたなら歩いて行け。ここからでも歩けば10分もかからんだろう』
現場の指揮官である如月賢治は先頭車両に乗っているため、声はインカムを通じて聞こえてくる。
「俺アイス食いたいんだけど」
『ユウ、そう言えば今日のおやつは何だったか』
『えっと、たしかアイスケーキだったかと......』
『そうか。じゃあ、レイ。お前おやつ抜きな』
「はァ?!な、ななな、なんでだよ!!?なんでおやつ抜きなんだよ!!!」
『お前のそのカビた脳みそで考えてみろ。始末書にならないだけでも良かったと思え』
賢治の言葉の後に小さな笑い声が続く。
「んだと??!ろくに小遣いも出さねぇくせに、ちょっと口が悪くなっただけでそれかよ!大体、俺らは命令が出されりゃ自分の仕事を放ったらかしにして現場に直行すんだぜ?今日中に提出する書類もまとまってねぇんだぞ?!もっと小遣いも上げてくれねぇかなぁ?」
『そんな事は俺に言うな。それとレイ。お前今日中に書類出さなかったら晩メシ抜くぞ』
- 127 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
[←戻る]