おっさんと少年
[・再会・](1/1)
「おいお前!また男からかよ!」
「いや、もちろん断るけど笑」
「いやーしかしほんとに男にモテるなぁ、優希は」
「んな事ないだろ。ほら、帰るぞ」
……そう。俺は男にモテるのだ。
俺は大谷優希(オオタニ ユウキ)。
17歳の男子高校生。
今は丁度下校する時でさ、下駄箱を開けたらまた手紙が入ってたんだ。
しかも男から。
俺はもちろんそっちのケは無いからもちろん断るんだけど……
いつもいつもだとやっぱり少し申し訳ないよね。
んでも、そんなにモテる顔かな……至って普通の顔だと思うんだけど。
「……き!優希!!」
「あ、ごめん。なに??」
「いや、俺こっちだから、じゃあなって言おうと思ったのさ」
「あーね、じゃあな!気をつけて帰れよ!」
「それはお前な笑 綺麗な顔してんだから襲われないようにな笑」
「……綺麗な顔ってなんだよ、どこがだよ!」
「んもー、怒らないの」
「怒ってないよ、どこがさって気になって」
「えー、まず、顔が小さい、白い、鼻筋は通ってるし普段は奥二重なのに伏せ目した時にはっきりする二重の線とか素晴らしいと思う」
「え、褒められすぎてきもい」
「なんでそんな事言うんだよ(´・ω・`)」
「ごめんごめん笑」
「そーやって普段毒舌なのにほんとは優しいとこもモテる原因だよ」
「そーなのか……ありがと笑」
「うん!じゃあ俺そろそろ帰るね!」
「おう!気をつけろよ!じゃあな!」
「おう!」
……めっちゃ褒められたし。自分ではそう思わないけど、褒められるとやっぱ嬉しいなぁ。
「ねぇねぇそこの君……ハァハァ」
……ん??
「君だよ君……おじさんと遊ぼうよ……ハァハァ」
……んぇ?!こわ!!何このおっさんはぁはぁしてる!!む、無視する!!
「ねぇねぇなんで無視するの??君のその綺麗なお顔をこっちに向けてよ……」
「……な、なんですか……」
俺は少し後ずさりながら答えた。
「なんで逃げるんだい??」
「すいません……」
……あれ、この人よく見たらいつも朝すれ違う人じゃないか??
も、もしかして毎日つけられてたのか??
いつも挨拶してくれるいい人だと思ってたのに……
「ねぇ、どうして逃げるのって聞いてるの!
……もうおじさん怒ったぞ……」
「え、まっ……っおい!!」
やばい!押し倒された!
ねえここ道路なんだけど!!!
ってこいつ重い!見た目通り重い!重くて避けられない……もう……でb……
「……っ、くそ!誰かっ……んぐ!」
「もー、やめてよお。大きな声出さないでよ、人が来たらどうするの……ハァハァ」
「やめろよ!上からどけ!重い!!」
「だから、大きな声出さないで、っと」
バシッ
……え、今こいつ俺の顔殴った……??
「…ってぇ…」
「あ!ごめんねごめんね!!
……でも、やめてって言ってるのに大きな声出す君が悪いんだよお」
「いいからどけろよ!!」
「だーかーら!大きな声出さないでって!」
……また殴られた。痛い、怖い。
もし俺のことをその、す、好きだとしてなんでこんなことするんだよ。
怖い、怖い、こわい。誰か助けて……
「…誰か…」
「おい!そこ何してるんだ!!」
「うわ!誰だよ!」
「って、何してるんだ!警察呼ぶぞ!」
「え!それはだめだめ!おじさん帰る!!」
……あ、すんなり帰ってくれた。そっか、警察か、
それより、誰かがきてくれて……
「……よか……っ、た……」
「あ!おい!大丈夫か、!」
俺はそんなことを考えながら意識を手放した。
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