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[Apr. und Juni](1/1)

わたしを離さないで


カズオ・イシグロ




あらすじ

「提供者」という人々の補助をする介護人キャシー。彼女が育ったヘールシャムという施設は奇妙だった。ヘールシャムにはなにが隠されているのか




かんそう

自分ってまだまだ浅はかだなぁと

痛感しました



ぐいぐい引き込んでいって
どんでん返しの予感を匂わせて

期待通り、それ以上の結末を持ってくる



そういうタイプの小説って

どんでん返しを期待して読むわけです



最初から最後までラストにワクワクしてる




でも この話は

途中にある、どこにでも存在するような日常をずーっと綴っている


一つ目の真実が明かされても

同じテンションで 日々が続く




ラストに期待するための何かがないのです




だから

これはどこに向かうのか





最後まで読んだら分かります


全部計算済みで 少しも例外なく

このラストのために作り上げられてた




途中で諦めたら多分わかんなかったんだろうなぁ




劇的な転換はない、とわたしは思うのですが


それでも 作者の構想にびっくりする、そんなお話だと思います





あと どこにでもある日常が とってもリアル

人間味に溢れた人物ばかり



まあ これも計算のうちなんですけど(´ω`;)






さすが ノーベル文学賞








互いに相手にしがみついてる。必死でしがみついてるんだけど、結局、流れが強すぎて、かなわん。最後は手を離して別々に流される。おれたちって、それと同じだろ?残念だよ、キャス。


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