史上最強のマザコンを卒業します

史上最強のマザコンを卒業します(1/13)





合宿も無事?終わり

日々梨花への想いが募っていき

毎朝毎晩と自主練に励んだ


雨の日も


風の日も


一馬に負けないように

ひたすら走り込んで

筋トレで汗を流した

俺がこんなに努力するなんて

正直ビックリだ

インターハイまで残り

二週間を切っていた


この調子なら一馬に勝てる

それくらい俺のタイムは

劇的に飛躍していた




...




そんなある日


夜の走り込みも終わり

家に帰ると

いつもならおかえりーと

ニコニコしながら迎えてくれる

母さんの声が

リビングから聞こえる



「それで...日向君は

えぇ...はい


そうですか...」


母さんの声が震えてる


日向兄ちゃんに

何かあったのか?!


嫌な胸騒ぎで高鳴る心臓



暫くしてから

受話器を置いて

その場にしゃがみ込んだ母さん



「...日向兄ちゃんに

何かあったの?」



俺の声にビクリと

大きく肩を揺らした母さん



「どうしよう...

光月...日向君が...」




...




バタン



自分の部屋の扉を

閉めてベットへ倒れこむ

母さんは

涙ながらに話してくれた



日向兄ちゃん...

俺の大切な兄貴

血の繋がりなんて関係ない



俺の家族



なのに...俺は

日向兄ちゃんの事を

何も知らなかった



日向兄ちゃんには

身内が1人もいないらしい


これからじゃないか


日向兄ちゃんはイケメンで

優しくて俺の憧れで...


結婚してれば

日向兄ちゃんを心配して

支えてくれる人だって

いたんだろ?


なのになんでだよ...


事故で意識不明の中

母さんと俺の名前を呼ぶなんて


意識が戻っても

歩く事ができなくなるかもって

なんなんだよ


堪えきれなくなった涙が

頬を伝った


日向兄ちゃんに預かった

母さんにプロポーズする筈だった

指輪を眺めてギュッと握る




その日の夜中

母さんと鉄二の話し声で

目が覚めた


...というか眠れなかった

日向兄ちゃんとの思い出が

蘇って太陽のような笑顔で

俺に微笑みかける


パッと目を開け

リビングへ向かう


日向兄ちゃんの話をしていたのか

涙を流す母さんの隣で

寄り添うように母さんの

背中を優しく撫でる鉄二


俺は今の家族が好きだ




だけど...


俺は日向兄ちゃんを支えたい


日向兄ちゃんが

結婚出来なかった原因が

少しでも俺にあるのなら


俺は...


「母さん...鉄二


一生のお願いがあるんだけど」



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