史上最強の純情な俺（1/6）
まったく梨花のヤツ
完全に俺で遊んでやがる...
梨花を好きだと気づく前だったら
きっとまた押し倒して...って！！
カァ～
一気に火照る顔
お、俺ってばすげぇ大胆じゃね？
い、今更めちゃくちゃ
恥ずかしすぎる
梨花の声聞くだけで
触れられるだけで
ドキドキ
バクバク
心臓が暴れだす
顔が茹でダコ状態
あーもう調子狂うな...
「あ！そういえば
今日瑠維ママの手術の日でしょ？
部活終わったら
私も一緒に病院に
行ってもいいかな？」
「...別にいいけど
なんでそんなに近いんですか」
さっき隣に座ってから
ピッタリと寄り添うように
隣にいるんですけど！
気が気じゃなくて
購買で大人気の
スペシャル幕の内弁当が
喉を通りませんけど？！
「別にいいじゃん！
...あ、光月口の下に
ご飯粒ついてるよ？」
梨花の細い指が
俺の口元から米粒を取って...
パク
た、た、食べたーーー！！
ニッコリ微笑む梨花
「...～ッ！！！」
誰か...この幼馴染を
止めてください
口元がニヤニヤするので
腕で隠して咳払いで誤魔化す
「どうしたの？
光月さっきから
顔が赤いけど...
具合悪いの？
お弁当も少ししか食べてないし」
ほ...
「ほっといてくれぇーーー」
「まったく光月は
情けなくて
見てらんねーなぁ...」
俺達の背後から
ズイっと顔を出した一馬
い、いつから
いらっしゃったんですか？
え？奇跡的に
恥ずかしい場面見られてたよね？
目の前にドカッと座って
でっけぇ弁当箱2つ
袋から取り出し
少し不機嫌な一馬は
「いーなー光月は！
梨花ちゃん俺にもやってー」
ウインナーを咥えて瞳を
閉じる一馬
凍りつく空気
俺は黙って一馬にチョップを
お見舞いする
「いって～...
冗談だよ冗談！！」
苦笑いの梨花
「そういえば！
光月とずーま君
陸上部の合宿の話聞いた？！」
来月ゴールデンウィーク中
2泊3日で陸上部の
合宿があるとか顧問が言ってたな
一馬を見るとよからぬ事を
考えているのか
ニヤニヤして梨花を見つめてる
「楽しみだ...なぁ？
光月？」
...嫌な予感しかしません
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