史上最強の三角関係（1/29）
キーンコーン...
朝練後の一日の始まりを
告げるチャイム音
よし！今日もグッスリと
寝るかなぁ～
俺のお気に入りの
裏庭の寝床スポットへ向かう
「おーい！！
光月待てよ～！！」
うわっ！一馬！！
最悪だ...
あいつも一緒だと寝かせて
くれないから全力でスルーしたい
「...っておい！！
シカトすんな！！
そして走って逃亡するなぁあ」
...
「やっぱここ穴場だよなぁ～
このハンモック
誰がつけたんだろーな？」
結果、一馬の持久力に
完敗し現在に至る...
「知らねーよ！！
黙って寝てくれ
お願いします！」
この有名マンモス高校に
入学した頃...あまりの敷地の
広さに驚愕しトレーニングも
兼ねて校内一周を走りながら
見て回っているとき
旧校舎奥の人気のない裏庭に
ひっそりと備え付けられた
ハンモック...寄り添うように
二つあるのを発見した
それからここは誰もこないし
俺のお気に入りの場所となった
静かで程よいくらいの
木々の隙間から差し込む太陽の光
フワリと体が空へ浮いた感覚
朝練で疲れた体は
ここに来ると癒されるんだ
「...なぁ光月
お前本当に梨花ちゃんの事
恋愛感情なんてないんだよな？」
...眠りに落ちる
3秒前だったんですけど！！
「だからただの幼馴染だっつの！
しつこい男は嫌われるぞ
わかったらさっさと寝ろ」
「...そっか！
じゃあ俺頑張っちゃおーっと」
そう言った一馬は
...イビキをかいて寝やがった
なんて奴だ
人の眠りを散々妨げておいて
イビキ煩いし...
しかし頑張るって何をだ？
まぁ...いいか...どうでも...
そのまま俺も爽やかな春風に
身を任せて眠りに落ちていった
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