キミを壊すアイの言葉
[一切記憶にないけど](3/11)






家に帰ってから

今日は渡された書類とにらめっこ。



人工妊娠中絶同意書。



望まない妊娠だったのは事実だけど、こうなるとちょっと抵抗がある。



きれい事だとか偽善だとか言われればそれまでだけど、わたしの周りに1人、子どもを産みたくても産めなかった人が居る。

望んで授かったはずの命が消えてしまって本当に苦しそうで見ていられなかった。



だから

安易な考えで子どもをおろす人を少し軽蔑していたところもあるわたし。



それなのに今同じ状況にあって、結局その人たちと同じように、まだここにある命を消してしまうしかないのかな。



それでこれから先胸を張って生きていけるのだろうか。



なんて考えてる反面。

やっぱり、好きでもない男との子を産んでどうなるというのかと思いもある。



付き合ってすらいないのに佐久間と結婚なんてあるわけないし、だからといって1人で産んで育てる度胸もなければ愛情もないだろう。



しかしそれよりも何よりも…




「……背徳感やばい」




何に対して

誰に対して抱いてるのか



とにかくもう………



ねえお願いだから夢ならさめてよ



そんな気持ちを抱きながらベッドに蹲る。



どうしよう…何もしたくない。

何もせずにただベッドに居ると、また余計なことを考えてしまうもので。



ぐるぐるぐるぐる頭の中を色々と巡る。

そうしているうちに睡魔におそわれ、昨日ほとんど眠れなかったわたしはあっという間に眠りに落ちていった。







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